5月 03 2008
弁護士の「専門性」
お客さんから、「先生の専門は何ですか?」とよく聞かれます。
こう聞かれたとき、正直なところ、いつも回答に困っています。
名古屋(を含む地方)で弁護士業務を行う場合、一つの分野に専門特化してもそれだけで食べていけるほど需要はありません。そのため、大多数の弁護士は、企業法務もやれば、個人の相続問題や離婚問題も扱っているし、たまには刑事事件もやるというのが実情だと思います。
これに対し、東京の大手渉外事務所では、かなり弁護士業務が専門化してきていると聞きます。これは、沢山いる弁護士の中で誰にも負けない分野を持つくらい専門化していかないと、クライアントから選別されないからかもしれません。
ただ、名古屋でも、それぞれの弁護士が自分の得意分野というのを持っているのではないかと思います。それは、他の分野に比べて取扱い数が多いこと、すなわちその取扱い経験が豊富である分野と言い換えることができます。それは、おそらく「専門」と肩肘張るようなものではなく、実際に数多く事件を扱った経験の中から培われる、実務上の勘のようなものという気がします。
また、弁護士は、常に人と相対している仕事であり、いろいろな人との付き合い方というのも、法律理論にも増して、実は非常に重要のような気がします。
少し脱線しましたが、もちろん、今後の弁護士大量増員の中で、弁護士も差別化していくことが求められることは明らかであり、そのためには自らの専門性を磨いていくことは不可欠といえます。
複雑化、高度化する現代社会の中で、法理論も当然それに追いついていかなくてはなりません。日々、勉強を怠ってはならないと思う次第です。




