5月 07 2010
脱近代化
日経ビジネスの中国特集の記事で、田中直毅氏が以下のようなコメントをしていました。
以下、少し長くなりますが、同誌からの引用です。
「明治維新以来、日本は自分たちこそがアジアの近代化の担い手であると考えてきました。ところが、中国は驚くべきスピードで近代化を成し遂げ、経済の総量では日本に追いつき追い越し、今後はその差が開いていくのが確実です。
つまり、アジアにおける近代化の担い手は既に中国に移ったということです。
日本はもはや近代化の担い手ではなくなった。では、その先の日本は、自らをいかなる経済、産業、企業であろうとするのか。我々は中国に背中を押されるようにして自己確認を迫られています。これは思わざる展開だったと言えるでしょう。
私はこの命題を、中国の「近代化(モダニゼーション)」に対する日本の「脱近代化(ポストモダニゼーション)」という視点でとらえています。
中国という要因によって、日本は明治維新以来の課題だった近代化を超える視点を持たざるを得なくなった。脱近代化とはすなわち、中国の近代化に対して自分たちをどのように「差異化」できるか、ということです。」
私は、今年2月に北京、3月に上海に行ってきましたが、中国という国がものすごい勢いで発展していることを肌で感じてきました。
日本を含む先進国が、今の中国で起こっている爆発的な経済成長の恩恵にあずかろうとして、続々と中国市場に進出していく理由がよく理解できました。
しかし、それは今成長軌道にある中国(に限らず、BRICSをはじめとする新興諸国)をある意味「利用して」、停滞する自国の内需に見切りをつけ、(少なくとも近代化を成し遂げるまで)中国市場で儲けようとすることであり、それではどこまでいっても同じことの繰り返しではないか、とも思いました。
もちろん中国の恩恵にあずかることも日本が食べていくために必要であって、重要かつ当然の戦略ですし、中国の発展に寄与することも十分大きな意味があるでしょう。
しかし、当の昔に中国と同じ道を通ってきた日本は、「近代化」を超えて、やはりその先(田中氏の言葉で言えば、「脱近代化」)を見据えていかなければならないのではないか、と思った次第です。




