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5月 02 2010

金融商品問題

先月、ゴールドマンサックス社(GS)が米国証券取引委員会(SEC)に訴追されましたが、今般、米検察当局も捜査に乗り出したと報道されています。

 

同社はサブプライムローン関連の金融商品販売に関して、投資家に重要情報を開示しなかったとして、SECに証券詐欺で訴追されました。そして、SECは、上記金融商品のポートフォリオ選定に関わったヘッジファンドが、価格下落にかけるショートポジションを取っていたことを、GSが顧客に開示していないことを問題視しています。

 

実は、これと似たようなことが日本の国内公設商品先物取引にもみられます。

 

いわゆる向い玉ですが、これは顧客と反対ポジションを取るよう商品取引員が自己玉を建てることであり、また、顧客総体の売り玉と買い玉の差を埋めるように自己玉を建てることを差玉向かいといいます。

 

現行法上、向い玉の規制は不十分ですが、以前も書きましたように、最近、この分野で業者の説明義務を認める最高裁判決が相次いで出されました。

 

向い玉は顧客の損を自己の利益に取り込むということで、利益相反行為であり、背信的行為であると言わざるを得ません。

 

GSの上記行為は多少スキームが異なり、またプロ対プロである点でも異なりますが、感覚的には向い玉に類似しており、顧客との関係で実質的には利益相反的、背信的行為であると言え、違法性があると考えるべきでしょう。

 

いずれにしても、今後、米国が金融規制改革を進めていくことは明白であり、今回のGS問題を機に、さらにデリバティブの規制に向けた取り組みが強化される可能性が高いですが、こうした動きは少なからず日本の実務にも影響を与えると思われます。


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