12月 21 2015
利幅と手数料
商品先物取引事件などでは、含み損を抱えた建玉を放置する一方で、利幅を小さく取りながら、頻繁な売買を繰り返す取引が見受けられることが多々あります。
この点、「見切り千両」という相場格言もあるとおり、含み損を抱えた建玉は早期に仕切ることが大きな損失を防ぐことに繋がることが多いといえます。
ところが、先物業者等は、損失を確定することを引き延ばし、損を取り戻すことを強調するなどして、反対ポジションで細かく利益を取っていくような利幅の小さな取引を多数行わせて、手数料稼ぎを行うとともに、含み損を抱えた建玉は放置する(これを因果玉の放置と言います。)ように仕向けます。
利幅を小さく取って小刻みに仕切る取引は、手数料が掛かる分だけ顧客に不利益と言え、このような取引を繰り返していれば、損益の確率が五分五分とすれば、手数料が累積する分だけ、いずれ顧客が損失を被って取引から退場せざるを得なくなることは直感的に理解できることです。
しかし、業者は顧客の損失を確定したくない、損を取り戻したいという心理につけ込んで、手数料幅をぎりぎり抜けるような利幅の小さい取引を頻繁に行わせる一方、因果玉は放置する取引を行うものと考えられ、このような業者の取引勧誘は、誠実義務等に違反するものと言うべきです。




