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英文契約書

英文契約書

 世界中の情報がインターネットを通じて手に入る現代社会においては、国際化が隅々まで進展し、企業活動においても国際取引が日常的なものとなっています。そして、国際取引の際には、英文契約書をもって外国企業等と契約が締結されることになります。
 しかしながら、英文契約書は専門用語が多く、日本の契約書とはその形式や内容が異なるため、難解で特殊なものであることも否めません。しかも、欧米と日本とでは契約慣行等も異なり、安易に契約書を交わすと思わぬ重大なトラブルに巻き込まれる恐れもあります。そこで、英文契約によるリスクを最小限に抑え、国際取引を契約面からサポートすべく、英文契約書作成・チェック等を包括的に支援させていただきます。

英文契約書の基礎


(1)英文契約書が難解な理由

 英文契約書は、いわゆる法律英語(Legal English)で書かれています。この法律英語は、Legaleseとも呼ばれ煩雑な法律用語と揶揄されるほど、特殊なスタイルと用語で記載されることが多いのです。とくに伝統的な法律英語(Authentic Legal English)には、長い歴史的伝統があり、法律家の内々で閉鎖的に用いられてきたこと等の各要因から、日常使用される英文とは異なる独特の用語、文法、様式が用いられています。そのため、英語を母国語とする米国人であっても、法律について正規の教育を受けていないと理解出来ないような難解な用語も多々あると推察され(例えば、 “mutatis mutandis”:準用する、“Force Majeure”:不可抗力など)、これが日本人にとって、英文契約書を難解で縁遠いものにしている一因といえます。

(2)「レター・オブ・インテント」(Letter of Intent)とは

 例えば、合弁事業設立等に向けた会社間の契約交渉等は、複雑であり相当の時間を要するものです。そこで、交渉の過程において当事者間の合意の大枠がある程度決まった段階で、いわゆる「レター・オブ・インテント」が作成・締結されます。これは、第一に、社内の取締役会等に対する報告的文書として、第二に、銀行等融資元に対する交渉経過等の報告的文書等として作成されるものです。日本語では「予備的合意書」とか、「意向表明状」等と訳されることがあります。
 この「レター・オブ・インテント」には、契約書(contract)と同様の法的拘束力が認められるか否かが問題となりえます。これについては、一概に断言することはできませんが、一般的には、契約書と異なり、法的拘束力は認められないというべきです。その理由は、これら「レター・オブ・インテント」の内容は、一般に具体性を欠くためその履行は困難であり、契約書(contract)のように強制可能性(enforceability)を認めることは難しいからです。ただし、「レター・オブ・インテント」に類似した文書として、「了解事項に関するメモ」(Memorandum of Understanding)や、「原則的合意書」 (Agreement in Principle)等もあり、内容によっては法的拘束力が認められうるものも存在しますので、決して、単に文書のタイトルのみで判断せず、その内容を精査することが不可欠といえます。

(3)最終契約書案をどちらが作成するか

 日本では最終契約書案をどちらが作成するかはさほど重視されない傾向がありますが、欧米では、契約書の原案を作成するというのは、むしろ権利に近いものと認識されています。その理由は、取引が非常に単純な場合を除いて、契約書は、通常は入り組んだ論理構成を取るものが多いため、相手側には一見わからない様に契約条項を自社側に有利に作成することも不可能ではなく、逆に言えば、相手側によって自社に不利な様に作成されてしまうリスクが潜在的に存在するからです。これは、日本と欧米の契約意識の違いにも起因するものと言え、とくに欧米人の場合は、契約書こそが全てであり、契約後長期にわたって当事者間の関係を規定するのはまさに当該契約書にほかならないと認識されています。よって、欧米企業と英文契約を締結する際には、後に思わぬトラブルに巻き込まれないためにも、出来るだけ原案作成権を自社側で獲得すべきといえます。

(4)約因(Consideration)とは

 通常、英文契約書の冒頭には、“Now, therefore, in consideration of the mutual agreements hereinafter contained, the Parties agree as follows”という表現が記載されています。このconsiderationは、日本語で「約因」と訳され、契約当事者間で相互に提供し合う「対価」が存在すること、すなわち相互に役務または物や金員を交換していることを指し、英米法の契約(Contract)上、極めて重要な概念といえます。この点、日本では「申込み」と「承諾」の合致があれば、このような「約因」が無くても、契約として成立するのですが、英米法上では「約因」がなければContractとして履行強制性(enforceability)が認められないのです。

(5)英文契約の「一般条項」

 国際契約においては、一般的、共通的に使用される「一般条項」(“General Provisions”)というものが存在します。これは、大陸法系の日本等とは異なり、六法全書が存在しない慣習法系の英米等において、契約書に一般的な法律的準則を規定して、紛争を未然に防ぐために、長年の実務や判例の集積により生み出されたものです(これが一因で、米国の契約書は日本に比して長大なものになる傾向があります。)。この「一般条項」は約30種類存在すると言われ、以下に一例を挙げるように、用語の意味、慣用句の使い方、論理の組み合わせ方など一定のパターンがあります。ただ、これらは、どの契約類型においても全て同時に使われるという訳ではありません。
    ① 契約違反及び財政困難による契約解除(Termination by Breach and Financial Difficulty)
    ② 損害賠償条項及び損害賠償額の予定条項(Damages, Liquidated Damages)
    ③ 訴訟費用負担条項(Litigation Cost)
    ④ 権利放棄(Waiver)
    ⑤ 見出し語(Headings)

(6)英文契約書の一般的な形式

 一般的な英文契約書の導入部分には型があり、以下のようなパターンを取るのが通常といえます。このような型を応用することで、各種取引の契約類型に対応できると思われます。

① 契約書冒頭の一般条項 
   契約書の表題    Title
   契約導入文章     Introductory Sentence    
   背景説明         Whereas Clause or Preamble
       約因             Consideration    
   目的条項        Purpose
   定義条項         Definition
   当事者の関係     Relationship of Parties

② 契約書中段の実質的契約条項
   各当事者の権利義務、例外的取扱い等

③ 契約書後段の一般条項
    秘密保持         Confidentiality
    契約期間         Term
    契約終了         Termination
    契約違反         Breach
    損害賠償         Damages
    期限の利益喪失   Acceleration
    不可抗力免責     Force Maje
ure
    契約解除の効果   Effect after Termination
    分離有効性       Severability
    譲渡可能性    Assignability
    完全合意         Entire Agreement
    使用言語         Language
    準拠法           Governing Law
    誠実協議     Good Faith Negotiation
    仲裁       Arbitration
    裁判管轄         Jurisdiction
    末尾文章         Closing Words
    日付             Date
    署名             Signature

業務内容

(1) 英文契約書作成

(2) 英文契約書チェック

 当該英文契約書に法的な問題点がないか、貴社にとって不利益な条項が含まれていないか、各条項のリスクはどのようなものがあるか等について、当職の方で英文契約書を精査の上、アドバイスいたします。また、貴社にとって不利益な条項が発見されれば、ご担当者様と協議の上、その修正案や代替案についても検討・作成いたします。

(3)英文契約書の締結交渉

 英文契約書を作成・締結するに際し、契約相手方との間で電子メール等での交渉が必要とされる場合に、貴社の要望を最大限反映し、貴社にとって出来る限り有利な英文契約書を作成・締結することを目的として、当職が契約相手方との交渉を代理して行うサービスです。

費用

 (1)英文契約書作成
  
     基本料金15万円〔A4(1頁あたり約400単語)×10頁まで〕
  

 (2)英文契約書チェック
 
   基本料金10万円〔A4(1頁あたり約400単語)×10頁まで〕

 (3)英文契約書の締結交渉
     実際の契約交渉及びその準備・調査検討のために要した時間に従い、タイムチャージにより費用を算定いたします (2万円/1時間)。

 貴社より、契約締結予定の取引内容、契約の相手方、これまでの交渉経緯等について、詳しい事情をお伺いし、ご担当者様と協議の上、当職の方で英文契約書を作成いたします。まずは当職にてファーストドラフトを作成した後、貴社にご確認いただき、疑問点や修正点等があれば、ご担当者様と再度協議いたします。
 なお、初回ご相談時に、費用のお見積もりをいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

  TEL:052-961-3071
 名城法律事務所 弁護士正木あて

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